仮名加工情報(言及まえ)
昨日4月1日から実に画期的(けっして良い意味ではない)なことが走り出しました。
それらは法律改正による「成人」の定義変更と「仮名加工情報」定義の適用です。
細かなことにまで言及すれば際限がなくなるので、「成人」のほうは後日書くとして、「仮名加工情報」についてファールチップ・レベルで触れておきます。
まず、本稿に表を添えます。
これ、いったい何?ですよね。
でもこの概念がきちんと整理され共有されていないと生活者(国民)は大変なことになるわけです。
法律(法律案バージョン)を確認しておきましょう。
先年こんなことを決めていたのですね。
そして昨日から本格的に走り出したのです。
この間コロナ報道のなかで「人流」なる奇怪語が登場し”いついつの渋谷周辺の人流”とか”いついつの大阪梅田の人流”とか「何とか比で何%」っていう”情報”を見聞きするようになりました。
いまや既定化したと言ってもよいでしょう。
(年代・性別・居住地・推定移動手段等も抽出できるはずですが、あんまりいろいろ見せるとかえって怪しまれるので「人流」なる語と伝え方によってソフトランディングしたようにも受け取れるわけですが。)
このことを例示として本稿を続けていきましょうか。
さて、どうして「人流」がわかるのか。
たいていスマホの位置情報の解析からということでしたね。
この部分を但し書きとしてニュースの冒頭につけ当たり前のことのようにデータ結果を公表。
大多数の人々はこのスタイルにほぼ納得してこの”情報”を取り入れています。
でもそれって、いついつあなた(私)がどこどこにいたっていう”情報”の集積から抽出した結果であるわけです。
さらに、「あなた(私)がいついつ渋谷周辺に出かけていたことが知られていますよ」って見知らぬ誰かに言われたら … きっと気持ちの良いものではありませんよね、たぶん。
さあ、もうお判りですよね。
“情報”って、大多数の他人様の位置情報ならとくに気にならないわけですけれども自分の位置情報なら勘弁してほしいわけです。
そんな勘弁してほしい情報を何者かが集積し表の世界で売り物(闇の世界で転売もある)にしている。
どうしてこのようなことが成立しているのか。
どうしてこのようなことに納得しているのか。
あなた(私)はいつ同意したのでしょう。
有益なのか実はフェイクを信用させられているのか。
疑問は深まるばかりではありませんか?
でも現実として”情報”をさらに”エビデンス(証拠)”なんていうものにいつの間にか置き換えて運用しようとする公の力(あえて公権力とは言わない)に私たちは個人レベルで抗うことができなくなっているわけです。
スマホを持たなければ解放されるとか言う人(物分かりの良い人)もあるでしょう。
→ 現状スマホを所持している人は通信によりキャリア(事業者)が取得できる”位置情報”に対してすべて「同意」していることになっています。
そして、たとえスマホを持っていなくとも行政機関や民間信用情報機関等にはあなたに関するなんらかの位置情報と等価の”情報”があるわけです。
→ 止まっているという位置情報も実は重要
個人の”情報”は一度インプットされてしまうとその初期値のままで運用されてしまいます。
盗まれた自分のスマホが渋谷周辺の位置情報を残してしまいますし誤発信であっても闇の連中との交信記録が残ってしまいます。
そういう”情報”を打ち消す(取り消す)ことは非常に大変なことですよね。
言いたいことはまだまだありますが、今回はここまでとしておきましょう。
備忘のために表を載せておきたかった、というのがこの投稿の本音でした。
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<追記>
これも足しておきます。
↓
『「誰一人取り残さない」デジタル化 』>『個人情報の保護等』
遅れに遅れた『ベース・レジストリの整備』も気になる。
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